第197回 国会 衆議院 法務委員会(平成30年11月27日)

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葉梨委員長 これより原案及び修正案を一括して質疑を行います。

 質疑の申出がありますので、順次これを許します。石原宏高君。

石原(宏)委員 おはようございます。自由民主党の石原宏高でございます。

 本日は、入管法等の一部改正案について質問をさせていただきたいと思います。

 早速、質問をさせていただきます。

 法務省にまずお伺いします。

 今回の新たな入国の資格の特定技能一号については、過半が技能実習生からの移行、そして残りが試験で入ってくるということなんですが、この試験についてちょっとお伺いをさせていただきたいと思います。

 まず、この試験を実施する実施主体というのは誰になるのか。そして、この試験について、政府がまとめる全体的な基本方針とか分野別運営方針に記載をされるのか。そして、その記載のイメージといったものはどんなものになるのか。また、ちょっとお伺いすると、日本語能力については、試験という形で記載されるのかわからないんですけれども、政府全体の基本方針にも記載がされるんじゃないかという話を聞いているんですけれども、この点、ちょっとまとめてお答えいただけますでしょうか。

和田政府参考人 お答えいたします。

 今回の受入れ制度におきまして、外国人材に求める専門性、技能は、受入れ分野ごとに、業所管省庁が定める試験などによって確認されることとなっております。

 この技能試験の実施に当たりましては、業所管省庁におきまして、試験実施時の注意事項や会場の要件などを記載した試験実施要領を作成いたしまして、当該要領の中で、受験者規模に応じた試験監督者の配置など、試験の適正実施の条件などについて定めるということを想定しているところでございます。

 また、この試験は、原則として国外において実施することとしておりますが、業所管省庁が試験の実施全体にわたって責任を持って運用に当たる限りは、試験の実施に係る事務について、例えば業所管省庁が適当と認める民間団体等に委託すること自体は差し支えないものと考えているところでございます。

 また、この試験等に関しての基本方針等への記載についてでございますが、閣議決定を要する基本方針におきまして、特定技能一号に求める技能水準につきまして、一定の専門性、技能を有し、即戦力として稼働するに必要な知識又は経験を有することとし、事業所管省庁が定める試験等によって確認する旨、及び、特定技能二号に求める技能水準につきまして、在留中に事業所管省庁が定める一定の試験に合格するなど、現行の専門的、技術的分野の外国人と同様に、高い専門性、技能を要する旨などを明らかにする、こういうように予定しております。

 また、分野別運用方針におきましては、このような技能水準をはかる評価方法、すなわち試験などにつきまして、試験名でございますとか実施主体、試験のレベル、実施方法などを具体的に記載するということ、さらに、これを法務省令で定めることを考えているところでございます。

 日本語試験につきましては、今回の入管法改正において創設します特定技能一号の外国人につきましては、試験によりまして一定の日本語能力を求めるということにしておりますが、現在、外務省及び独立行政法人国際交流基金におきまして、事業所管省庁の判断により、共通に活用できる日本語能力判定テストの実施に向けまして、同基金を所管する外務省として必要な経費を平成三十一年度の概算要求に計上しているということを承知しているところでございまして、このような共通の試験制度の創設が新たな制度に基づく外国人材の円滑な受入れに資するものと考えているところでございまして、関係省庁と連携して、積極的にこの検討に参画してまいりたいと考えているところでございます。

石原(宏)委員 他省庁にも来ていただいていて、順番にちょっと答弁をいただきたいと思うんですけれども、十四業種を全部聞いていると短い時間なので聞けないので、自動車整備業と、そして外食業と産業機械製造業についてちょっとお伺いしたいんです。

 この試験なんですが、海外若しくは国内で行われるようなんですけれども、筆記試験のみなのか、それとも筆記試験と実技の試験が合わさっているのか、また、その試験が何語で書かれているかとか、そういうことをちょっとおのおの教えていただければと思います。

 外国だけなのか、国内もやるのか、そして筆記と実技があるのか、そしてその試験の内容が何語でやるのかというのをちょっと簡単に説明していただければと思います。

島政府参考人 お答えいたします。

 自動車整備業におけます特定技能一号の技能試験は、国外において、筆記及び実技により行うことを考えてございます。

 具体的には、自動車整備作業に必要な知識を問う筆記試験と、実際に整備作業を行わせる実技試験によりまして、自動車の基本的な点検整備が行えます国家資格でございます自動車整備士三級相当の水準の技能を有するか確認をすることを考えてございます。

 なお、筆記試験の言語は日本語とし、必要に応じてルビを付すということを想定してございます。

 いずれにいたしましても、技能試験の内容につきましては、今後、分野別運用方針に決めていく中で明確にすることとしてございます。

 以上でございます。

渡邊政府参考人 お答えいたします。

 外食業におきましては、技能実習生からの移行は見込んでおらず、試験の合格者が対象となることを想定しております。

 受験生としては、例えば、国内の飲食店等でアルバイトして経験を積んだ外国人留学生、それから海外の調理師学校の卒業生、それから海外のホテル、レストランの従業員及び海外の食品工場の従業員などを考えているところでございます。このため、国内外双方で試験を予定しております。

 また、お尋ねの技能試験につきましては、有識者の意見も踏まえて、今後、試験問題を策定することとしておりますが、現時点におきましては筆記試験及び実技試験を考えております。

 実技試験につきましては、例えば画像等を用いた試験などを想定しているところでございます。

 使用言語につきましては、基本的には日本語を想定しておりますけれども、出題範囲の一部を母国語とするということも含め、検討しているところでございます。

大内政府参考人 お答えいたします。

 産業機械製造業における特定技能一号の技能試験は、現時点では、国外において現地語で筆記及び実技により行うことを考えております。

 具体的には、産業機械の製造工程に必要な知識を問う筆記試験、それから実際の作業を行わせる実技試験から成る技能検定三級の内容も参考にしながら検討を進めております。

 いずれにしても、技能試験の詳細につきましては、関係業界や現地国のニーズも踏まえ、法務省等の関係省庁とともに、分野別運用方針の中で明らかにしていくことにしております。

石原(宏)委員 最後に、試験について法務省にお伺いしたいんですが、試験が実際に実施をされていて、その試験の内容が適正であるかどうか、若しくは、何人ぐらい受けているのか、そういう内容の調査とか中身の評価というのは、外注した場合は所管官庁がやるのか、それとも入国管理庁が行うのか。

 その試験の、多分この制度は、新しく試験についてのチェックということが新たに入ってくると思うんですけれども、どうなっているのか、それをお教えください。

和田政府参考人 御指摘のとおり、試験の適正を担保する、このことは非常に重要なことだと考えているところでございます。

 その担保する方法でございますけれども、まず、業種横断的な共通の考え方を政府基本方針において定めます。それから、各業所管省庁においてこれを具体化したものを、関係閣僚会議において分野別運用方針の一項目として決定していただく、こういうような予定にしております。

 その上で、技能試験の実施に当たりましては、業所管省庁におきまして、試験実施時の注意事項でございますとか会場の要件などを記載した試験実施要領を作成するということでございます。その中で、受験者の規模に応じて、試験監督者をどのように配置するかなど、試験の適正実施のための条件、これについても定めていただくということを予定しているところでございます。

 このように、試験実施要領等につきましては、基本的には業所管省庁において定めるものでありまして、また、これを民間団体等において実施する場合においては、業所管省庁において、当該実施者が適切に試験を実施していることを確認する必要があるものと考えておりますが、法務省といたしましても、この点について適正に行われているかどうかを関心を持って注目したいというふうに考えているところでございます。

石原(宏)委員 ちょっと論点を変えまして、技能実習生について、きのうの予算委員会でも野党の方が質問されていたんですが、新制度になって監理団体や受入れ機関の調査を行われていると思うんですけれども、トータルで、監理団体と受入れ機関で何件調査を行っているか。

 それで、おのおの、監理団体は何件、受入れ機関は何件かというのをまず教えていただきたいのと、あと、その調査項目なんですけれども、実際に失踪者の方の聴取票がありますが、給与の部分が税引き前なのか手取りなのかよくわからないところがあって、正確に最低賃金なんかを調査するためには、やはり受入れ元に入らないとわからないと思うので、実際に外国人技能実習機構が調査をされていると思うんですけれども、その調査項目で、例えば、実習生の給与や諸手当や、また労働時間、正規の時間と残業とか、また、恐らく技能実習生は雇用契約を結ばれていると思いますので、その雇用契約に書いてある賃金と実際に支払われている賃金がおかしくないのかとか、あと、先ほど言ったように、受入れ元に行けば、最低賃金も基本的には基本給と諸手当で、そして労働時間は残業を除いた時間で計算しますから、そういう最低賃金のチェックまでされているのかどうか。

 その調査項目についてちょっとお教えをいただきたいと思います、件数と。

和田政府参考人 お答えいたします。

 まず、件数についてでございます。

 本年九月末時点での速報値でございますが、外国人技能実習機構におきましては、これまで、約千百の監理団体及び約二千六百の実習実施者、これが受入れ機関に当たるものでございます、以上合計三千七百の団体等に対して実地検査を行っているものでございます。

 その際の調査項目でございますが、検査の項目は個々の事案に応じて異なる面がございますが、一般的には、技能実習生に対する賃金や割増し賃金の支払いや労働時間が適正であるか否か、技能実習計画に従った技能実習が実施されているか否か、賃金台帳等の必要な帳簿書類等が適切に保管されているかどうか、旅券等の取上げがないかどうか、暴行等の人権侵害行為がないかどうか、こういったことを検査しているものでございます。

 そして、最低賃金でないかどうかの確認でございますが、技能実習生の賃金につきましては、技能実習法上、日本人と同等以上の報酬を確保することを要件としており、技能実習計画の認定申請の際に、申請書類及び疎明資料とともに、賃金が同等報酬要件を満たしているか否か、また最低賃金を上回っているか否かをまず確認をいたします。その上で、実地検査におきましても、賃金台帳等の帳簿を確認するなどいたしまして、技能実習生の賃金が最低賃金を下回っていないかどうか、これを必ず確認することとしているところでございます。

石原(宏)委員 あと一分になりましたので、ぜひ山下大臣にお願いをしたいんですが、こうやって受入れ機関の調査をされています。それで、今回の審議の中で、失踪者の、旧制度における二千八百名の聴取票のことが話題になりましたけれども、私自身は、聴取票自身は、個人的な意見ですけれども、ふわっとした感じがしていて、そこに書いてある給与というのが本当に基本給なのか、労働時間も残業を含めているか含めていないのか、ちょっとわかりにくいところがあると思うんですね。

 それで、やはり受入れ機関を調査をして、できれば反面というか、技能実習生も、普通に働いている方の、失踪した人じゃない方のサンプル調査なんかもしていただいて、二つの受入れ機関の調査と、そして普通に働いている方、失踪者の両方を調査をしていただいて、両方あわせてしっかりと分析をしていただいて国会に報告していただくことが、私は技能実習生の実態をしっかりと把握することができるのではないかと思います。

 野党の方々は、技能実習生の実態が把握できない中でこの新たな枠組みをつくるのはいかがなものかという話がありますけれども、今、その報告がない中でこの議論を進めているわけでありますが、やはり国会としては、私は、この技能実習生の実態について、両面でしっかりと調査をしていただいて国会に報告していただくことが必要ではないかということを最後に述べまして、私の質問を終わらせていただきます。

 ありがとうございました。

葉梨委員長 以上で石原宏高君の質疑は終了いたしました。