第210回 国会 参議院 国土交通委員会

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離島振興法の一部を改正する法律案(衆議院提出)

○浜口誠君 国民民主党・新緑風会の浜口誠です。

 今日は、離島法の一部改正ということで、賛成の立場で質問させていただきたいと思います。また、今日、衆議院の提案者の先生方も御対応いただきまして、ありがとうございます。全て提案者の皆さんに私の質問をさせていただきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。

 まず最初に、今回、離島法が改正されます。離島で暮らす住民の皆さんは、やはり本土と比べると社会的にも自然的にも大変厳しい状況の中で生活をされているというのはこれ事実だというふうに思います。したがって、必要な支援を適切に継続して行っていくというのは大変重要だというふうに思っております。

 そうした中で、先ほども御質問ありましたけども、例えば、本土と離島に橋が架かったようなときに、離島振興対策の実施地域、この指定が橋が架かったからもうその時点で指定から解除するということでは離島の住民の皆さんに寄り添った対応にはならないというふうに思っておりますので、それぞれの離島の実情をしっかり踏まえた上で、このような場合の指定解除については配慮しながら行っていくことが大変重要だというふうに思っておりますが、その点に関して提案者の皆さんの御所見をいただきたいと思います。

○衆議院議員(石原宏高君) 御指摘のとおり、離島は四方を海に囲まれておりまして、人口減少や高齢化が進行するような状況であります。

 本法律案では、離島振興基本方針の記載に橋梁の整備が含まれることを明記することとしておりますが、他方、本土等との間の架橋が整備されたことによって直ちに離島振興対策地域の指定が解除された場合、先ほど審議もありますけども、当該離島の振興にかえって支障が生じる場合も考えられるというふうに考えております。

 ですから、架橋が整備されたことにより離島振興対策実施地域の指定から直ちに解除されることのないように同地域の指定解除基準について検討することは重要と考えておりますし、離島の実情を踏まえつつ、政府としてしっかりと検討を進めていただきたいというふうに考えております。

○浜口誠君 ありがとうございます。是非そのスタンスで政府に対してもしっかり取り組んでいただくよう求めていただきたいというふうに思っております。

 二点目は、離島の経済の活性化という観点から御質問をさせていただきたいと思います。

 離島においては、農林水産業を始めその離島の産業をしっかり後押ししていくということと併せて、やはり離島に来る観光客の皆さんですとかあるいは交流人口ですね、離島に来ていろいろ離島の良さを知っていただくような機会を増やしていくというのが大変重要だと思います。

 その意味では、本土と離島をつなぐ海上交通ですとか、あるいは空路といった、こういった移動手段をしっかり維持拡充をしていくということも極めて重要だというふうに認識をしております。

 離島の皆さんからも、先ほども船舶の話ありましたけども、やっぱり老朽化した船舶の速やかな更新、これは国もしっかりサポートしてほしいという強い要望もいただいているというふうに認識をしております。

 こうした交通インフラの維持拡充にしっかりと取り組むとともに、離島経済をいかに活性化していくか、この観点で提案者の方の御所見をお伺いしたいと思います。

○衆議院議員(石原宏高君) 離島航路や航空路は、離島に住んでいる住民の皆様にとって重要なライフラインであるのはもちろん、御指摘のとおり、離島の交流人口を増やすためにもこれらをしっかり維持拡大する必要があるというふうに認識しております。このため、離島航路については、従来より、国土交通省において、離島住民の必要最低限の移動手段が確保するために、赤字の航路に対して運営費等を補助することで航路の確保維持を図っているところであります。

 また、今回、現行法の第十二条では交通の確保等について特別の配慮をする旨を規定しているところでありますが、今回の改正案において同条二項を新設し、先ほども議論がありましたけれども、ジェットフォイルなどの船舶及び航空機に対する設備投資に対する支援がこの特別の配慮の対象として含まれる旨を明記したところであります。

 やはり、関係人口、また交流人口を増やすことによって、この空路や航路をしっかりと維持することによって人口を、関係人口を増やすことによって離島の経済活性化を図っていきたいというふうに考えております。

○浜口誠君 では、続きまして、離島の物価高騰対策について伺いたいと思います。

 やはり、離島は本土と比べると物価高い。物流のコストがどうしても価格に上乗せされるということも、その価格が、物価が高くなる背景としてあると思います。また、離島法には第十九条という規定がございまして、この規定の趣旨を踏まえると、ガソリンを始めとする燃料の小売価格を下げていく、こういったことも離島で暮らす住民の皆さんの物価高騰対策としては極めて重要だというふうに考えております。

 今後も、物価上昇、非常に日本全体の課題となっておりますが、離島で暮らす住民の皆さんの物価高騰対策についての御見解をいただきたいと思います。

○衆議院議員(石原宏高君) 御指摘のとおり、離島では、海上輸送を伴うことや販売規模等が小さいこと等が原因となって、生活物資の価格が本土と比べて一般的に割高となっております。このため、従来から、離島振興法において、物資の流通に要する経費の低廉化に資する施策の充実に関して特別の配慮とするとともに、石油製品価格の低廉化等についても配慮事項としているところであります。

 現状の物価高騰対策については、具体的な原油価格高騰対策について、政府において先日閣議決定された総合経済対策の中で、原油価格の高騰等が国民生活や経済回復に悪影響を及ぼすことのないよう、燃料油価格激変緩和事業が来年度前半にかけて引き続き実施されるものというふうに承知しております。

 また、ガソリンの輸送コスト相当分を補助する離島のガソリン流通コスト対策事業も平成二十三年度から実施されているところであります。今後、政府において当該事業が適正に実施されるものというふうに考えております。

 さらに、生活物資の価格には、生活必需品、嗜好品等の種類や各地域の輸送ルートの状況等、様々な要因が影響を及ぼしているものであり、離島地域の物価対策に関しては、まずそうした状況も、また住民のニーズもしっかりと見極めながら、離島振興法の趣旨に踏まえつつ、政府において必要な対応を検討することが重要であるというふうに考えております。

○浜口誠君 是非、物価高騰対策しっかりと進めていただきたいと思います。

 最後になりますが、医療関係についてお話を伺いたいと思います。

 どうしても、離島で暮らす皆さんの暮らしの安心を担保していくためには、医療提供体制をしっかり整えていくことは大変重要だというふうに思っております。そうした観点で、遠隔地医療のデジタル化というのをしっかり推進していく、あるいは、離島で従事する医師の方、看護師の方、医療従事者の方にいろんな配慮をしていく、こういった視点がすごく重要だというふうに思っておりますが、この点に関して御見解をお伺いします。

○衆議院議員(石原宏高君) 離島における医療提供体制の確保は、高齢化などが進む中で、住民の皆様が安心して生活するために極めて重要であるというふうに認識しております。

 そのため、本法律案では、第十条第九項について、医師の確保等の医療の充実について、現行法の適切な配慮にとどまらず、特別の配慮とするよう改め、政府に対してこれまで以上の施策の推進を求めることとするとともに、ICTを活用した遠隔医療の実施についても配慮事項に明記することといたしました。

 また、委員御指摘のとおり、離島における医療の充実を図るためには、デジタル化の推進や医療従事者への特別な、特段の配慮は重要であり、オンライン診療、電子処方箋等の遠隔医療を活用できる環境整備の推進、離島における看護師等の処遇改善や人員設置基準の緩和についても更に検討をすべきものというふうに考えております。

○浜口誠君 ありがとうございました。終わります。