規制緩和・技術革新による新規ビジネス
更新日:2021年2月17日
経済活動はグローバル化し、それは大変厳しいものです。今までも、東芝の半導体子会社、東芝メモリが米投資会社のベインキャピタル率いる日米韓連合に売却されました。 また、シャープが台湾のホンハイの資本参加を仰ぎ再出発することになりました。三菱自動車もルノー・日産自動車グループの傘下に入ることになりました。
もはや、この厳しい国際競争に勝ち残っていくためには、今までの殻を打ち破って、既存の概念を捨てない限り、生き残ることは出来ません。規制緩和や技術革新により新たなビジネスを創出することが日本の更なる発展には不可欠です。
規制緩和の一例として、批判を覚悟の上で、武器輸出三原則の撤廃を挙げます。確かに、武器輸出三原則は緩和されましたが、思い切った撤廃も視野に入れるべきです。武器といっても、人を殺傷するものでなく、例えば、川崎重工が開発した新規軍用輸送機C-Xや、新明和工業の飛行艇US-2、また、潜水艦等を海外に販売すれば、もし生産が伸びれば、これは軍事産業であることから工場を海外に移転することは出来ず、雇用拡大に繋がるし、自衛隊の調達コストも引き下げ可能となるからです。
タブー視されてきたという同じ様な意味で、また、新型コロナウイルスにより人の移動が制限されている状況であるものの、将来を展望すれば以前からも述べていますが、カジノを含むIRも早く開設すべきです。シンガポールの二つのカジノリゾートは開業以来、好業績を計上していますし、フィリピンでも、カジノ公社の直営カジノから、外資によるカジノリゾートに方向を転換し、新規カジノ建設が進んで来ました。
カジノは、レストラン、ブランド店舗、エンターテイメントビジネス等、大きな雇用が見込まれます。アメリカ全土にはカジノが約1000件あるのに対し、アジアの数はそこまで行っていません。日本がカジノを含むIRを開設すれば、新たな可能性が広がります。
産業空洞化を回避し内需拡大を図るためには、新たなビジネスを創り出すことしかありえません。今までのタブーを乗り越えなければ、日本の繁栄はあり得ないのです。大胆な発想の転換が不可避であると私は考えます。
既存のビジネスですが、海外インフラビジネスの促進も重要です。新幹線、原子力発電所は苦戦していますが、火力発電所、橋梁、飛行場、高速道路、地下鉄等々、日本の技術を官民協力して主に新興国に売り込むことが重要です。海外インフラビジネス促進を自公政権は推し進めていますが、日本再興戦略2016では、2020年にインフラ輸出30兆円を目指していました、引き続き2020年台初頭での達成を目指します。
IBMワトソンのような日本版AI(人口知能)の開発、自動車の自動運転の実用化、ロボット化の推進、ブロックチェーン技術を利用した新たな金融サービスの開発、日本交通が開発したスマホアプリによるタクシー配車システムの全国普及(米国ウーバー社対策として)、キャッシュレス決済の更なる普及、燃料電池車(水素エンジン自動車)、プラグインハイブリッド車、電気自動車の一層の普及、洋上風力発電の普及等々、新たな技術により新ビジネスを生み出すことが、21世紀、日本が世界で生き残るために絶対に不可欠です。最後に、キャッシュレス決済は単に消費者の利便性向上だけでなく、その消費データが新たなビジネスに結び付くと考えられています。このデータ戦略を立案する司令塔をデジタル庁が担う可能性も大です。未だ、具体的な政策は提示されていませんが、決済データを新たなビジネスに結び付けることは、低金利で苦しむ金融機関の新たな収益源となる可能性もあり、具体化を進めるべきと私は考えます。
勿論、個人情報の取り扱いの課題がありますが、政府は現在、資金移動業者にも、給与振込を認める(ペーロール)ことを、マネーロンダリングや個人情報管理に配慮しつつ、検討しています。キャッシュレス決済のデータが新たな時代を切り開くリソースとなりうる時代を迎えているのです。